中村天風財団(天風会)

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スタッフの小野さんにインタビュー

運動法セミナーレポート

小野秀樹 (栃木県)  2006年(平成18年)入会

今回はスタッフの小野秀樹さんに、お話をうかがいました。
小野さんは心身統一法運動法セミナーでは、実技の指導を担当されています。 

 

――本日はよろしくお願いします。それでは、スタッフになるいきさつについて、教えてください。

小野 私はふだんは千葉の会でスタッフをしているんですが、財団主催の土曜行修会がコロナ禍の影響でオンラインになったとき、土曜行修会のほうでもスタッフをやらないか、と担当講師に誘われました。それでお引き受けして、運動法セミナーに名称が変わってからも引き続きスタッフをつとめています。 

――オンラインは前身の土曜行修会から2年が経過しましたが、ご自身の教え方の変化などがありましたか? 

小野 リアルではボディーランゲージで教えることが可能でした。つまり、こちらの動きを見てもらうことで、相手に理解してもらうということです。でも、オンラインでは見てもらうよりも、言葉で伝えることのほうがより重要だ、と思うようになりました。 

――言葉で伝える重要性については、スタッフのみなさんがよくおっしゃいますね。 

小野 そうだと思います。ですから私は、天風会の中で通じる用語ではない、より適切で、より正確な、一般的な言葉を選んで伝えるように、心がけています。 

――なるほど。心身統一法の教えには、聞き慣れない言葉とか、同じ言葉でも意味合いがちがうものが多いですからね。 

小野 そうです。たとえば運動法でいえば、統一式運動法の説明の中でよく出てくる「裏筋肉」とか。 

――たしかに、わかったようで、よくわからない言葉ですね。最初に聞いた人は「筋肉の裏ってなに?」と思うかもしれませんね。 

小野 筋肉の裏側という意味ではないので、「ふだんはあまり使われていない筋肉のことですよ」と、誤解されないように説明するようにしています。 

――その他に、オンラインの指導で気をつけていることはありますか? 

小野 「体を動かすことだけに集中しすぎて、体から心が離れてしまわないように、気持ちをこめて運動法をおこなう」ということを、上手に伝えたいと思っています。このことは、特にベテランの参加者の皆さんに理解してほしいことです。 

――運動法セミナーは初参加の人も多いですが。 

小野 オンラインということで、ハードルが低いんでしょうね。中村天風財団のリアルな行事にまったく参加経験のない人も多いですが、次回も興味を持って参加していただけるように、声掛けをしているつもりです。 

――オンラインで学ぶ人たちに、何かアドバイスは? 

小野 「身体を磨く」という運動法のテキストがありますから、事前にそれを見ていたほうがよいですね。DVDも同封されていますから、お手本の映像を見られます。そのあと、実際に参加されてから、いろいろ質問をしていただくほうが、効率的だと思います。でも、まったく準備なしで、思いつきのような軽い気分で参加されてもいいですよ。息長く継続することが必要ですから、あまり自分にプレッシャーをかけないようにしてほしいですね。 

――これから参加しようと思っている人には? 

小野 参加にいたるまでに色々な思いがあるでしょうが、あまり真面目に考えず、軽い気持ちで参加してみたらどうでしょうか。冷やかし半分でいいですから。でも、得られるものは確実にありますよ。 

――小野さんはシニア世代ですが、最近、週末に大学に通っているとお聞きしました。中村天風は「六十の手習い」ではなく、「六十こそ手習いしろ」と言っていますが、その教えに影響を受けているわけですか? 

小野 それはありますね。心理学系の大学で勉強しています。さきほどもちょっと言いましたが、天風会の中で通じる用語というものがあります。たとえば「潜勢力」とか「観念要素」とか「感応性能」といった言葉です。そのような天風会の用語が、現在の学術用語ではどのように説明されているのか知りたい、というのが入学の動機です。 

――それで、何かわかりましたか? 

小野 「関連しているのかなあ?」といったぐらいで、いまのところ、よくわかっていません(笑)。 

――教えを早く身につけるコツのようなものがあれば、教えてください。 

小野 運動法のコツは、毎日、すこしずつでもやって、できないことを焦らないことです。「そのうち、覚えるさ」という程度の気持ちで取り組むのがよいと思います。実際、そのうちに覚えますから(笑)。 

――小野さんは、日常生活において心身統一法をどのように実践しているんですか? 

小野 自分の思考パターンが、心身統一法でいう「積極」になっているような気がします。たとえば会話をしているとき、相手が消極的な言葉を発しても、自分の中では軽く受け流してしまうようなことが、自然にできます。 

――怒らず恐れず悲しまず、ですか。 

小野 そうですね。日常的にやっていることは、朝礼と運動法です。中村天風の書籍や、財団の機関誌など、よく読みます。あとは、やはりクンバハカですね。階段の上がり下り、歩いているときは、クンバハカを意識しています。 

――小野さんにとって、心身統一法とは何ですか? 

小野 人生の進むべき道であり、物事の判断基準になっています。自分自身を任せられる哲学だと思っています。 

――ありがとうございました。



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