中村天風財団(天風会)

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スタッフの小松さんにインタビュー

運動法セミナーレポート

小松俊夫 (神奈川県)  2006年(平成18年)入会

 

今回はスタッフの小松俊夫さんに、お話をうかがいました。
小松さんは心身統一法運動法セミナーでは実技の指導を担当され、書籍紹介でもおなじみです。
 

――それでは、さっそくですが、運動法セミナーのスタッフになるいきさつをお聞かせください。 

小松 私は鎌倉の会に所属しているんですが、入会以来たくさんの講師やスタッフの皆さんに指導を受け、おかげさまで運動法など、ひととおり身につけることができました。その恩返しの意味で、5年ほど前からスタッフをさせていただいております。 

――では、その流れで運動法セミナーのスタッフも? 

小松 はい。私はいまシニア世代ですが、今度はシニアの方に少しでも教えをお伝えできればと思っています。もちろんシニアの方だけに限定したスタッフではありませんが(笑)。 

――運動法セミナーは前身の「土曜行修会」から続いていて、オンラインは2年を経過しましたが、オンラインを通してのご自分の教え方は、何か変化がありましたか? 

小松 オンラインでは、画面、時間等で制約があるので、リアルでは容易に伝わっていたことが、上手に伝わりません。ですから「伝わる」――「理解される」ことが重要だ、と考えるようになりました。そして、画面を通して正しい「形」や「動作」を伝えるためには、ブレイクアウトセッションにおけるフォロースタッフの役割が大きい、と思うようになりました。 

――フォロースタッフといいますと? 

小松 通常、ブレイクアウトセッションはスタッフ2人体制です。一人が運動法を実際に行って指導しますが、画面上の参加者全員に、なかなか目が届きません。そこでもう一人のスタッフ――これを私はフォロースタッフと勝手に呼んでいるんですが、この二人目のスタッフが参加者の様子をチェックし、あとでいろいろとアドバイスします。こうすることで、リアルのときの指導により近づくのでは、と思います。 

――なるほど。それでは、オンラインで学ぶ側の参加者に、何かアドバイスは? 

小松 オンラインだと、どうしても自己流になりがちです。ですから、セミナーに参加したときは、積極的に講師やスタッフに質問して、正しい方法を確認していくことが大事です。 

――しかし、何を質問したらよいのかわからない、といった雰囲気になることもありますね。 

小松 そうですね。そうならないために、事前に質問内容をメモして、準備しておくことをお勧めします。遠慮なさらずにどんどん質問してください。質問というのは、他の参加者の参考になるので、とても大切なことです。もちろん、当日その場で疑問に思ったことを、すぐ質問されでも良いですが。 

――小松さんは中村天風財団の書籍の紹介をよく担当されていますが、そのさいに気をつけているところ、工夫されているところは何ですか? 

小松 季節を考慮して紹介しています。春は希望がわいてくるような内容の本、夏の暑いときは比較的容易に読める本、秋は思索にふけりじっくり読める本、冬は寒さに負けず明るくなる本などです。 

――なるほど。叙情的ですね。 

小松 もちろん新しい参加者向けに、中村天風の三部作を紹介するなど、体系的な紹介にも配慮しています。書籍を紹介するにあたっては、しっかりと内容を把握して、伝えることを整理する必要があるので、かならず読み直します。すると以前は読み飛ばしていたところや、理解できていなかったところに気づき、私個人としては、とても勉強になりました。 

――うれしい副産物ですね。ちなみに、小松さんが最初に読んだ本は? 

小松 『真人生の探究』です。私にとって簡単に読めるような本ではなかったので、読み終えるまでに時間がかかりました。 

――このインタビューを読んでいる人たちに、お薦めの一冊は? 

小松 心身統一法の解説本としては、『いのちを活きる』ですね。この本は中村天風の直弟子で四代目会長の杉山彦一が書いたものです。心身統一法をとても丁寧に解説していて、私はこれを読んで、いろいろ腑に落ちることがありました。また、最近出版された中村天風口述の『信念の奇跡』は、中村天風が悟りを得るに至った背景、いきさつを語っていますので、天風教義の理解促進に役立つものとして、また入門書としてもお薦めです。 

――教えを早く身につけるコツのようなものがあれば、教えてください。 

小松 コツというのはよくわかりませんが、教えられたことを毎日継続して、習慣にすることが大事だと思っています。それから、行修会、修練会に参加することも良いですね。教えを正しく理解できますし、多くの気づきを得ることができます。それと友人――一緒にはげむ仲間の存在も、ありがたいですね。この会の友人たちは皆明るくて積極的なので、接することで自分もより刺激を受け、元気になっていきます。ですから、多くの友人を作ることも、教えを身につけるコツにつながるのかな、と思います。 

――小松さんは、日常生活において心身統一法をどのように実践しているのですか? 

小松 私は土木技術者ですが、土木はもともと公共のため、すなわち「人の世のため」という意義があります。したがってはじめて天風教義に出会ったとき、この教えは私にとってなじみやすいものであり、いまでも素直に心身統一法を学び続けています。実践としては、起床したときから就寝するまで、「感謝」と「笑顔」を心がけています。ただ、三勿――怒らず、恐れず、悲しまずが不徹底で、思いがけず怒ったりすることもありますが、そんなときなどは、すぐに苦笑いします。苦笑いも「笑顔」の一種ですから(笑)。 

――なるほど(笑)。 

小松 日常生活では、どうしたらよいか思い迷うときがありますが、「心を尊く、強く、正しく、清く」を自分の行動規範とすることで、乗り越えています。「何かあるのが人生だ」と思わせるような場面に遭遇するときが、人生にはかならずあるものです。そのようなとき、心身統一法の日ごろの実践は、かならず自分にとって大きな支えになると信念しています。 

――最後になりますが、小松さんにとって心身統一法とは何ですか? 

小松 私にとって心身統一法は、与えられた生命をより良く活きるための道しるべです。 

――ありがとうございました。



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