中村天風財団(天風会)

MENU

スタッフの飯村さんにインタビュー

土曜行修会

今回のインタビューはスタッフの飯村紀子さんです。
飯村さんはオンライン土曜行修会で実技の指導を担当され、スマホやパソコンの画面を通して、参加者の皆さんに心身統一法を指導されています。


――飯村さんも、リアルの土曜行修会から、引き続きスタッフを務めているんですね。

 

飯村 はい。以前、土曜行修会のホームページにも書かせていただきましたが、千葉の会でスタッフをしていましたが、月1回なので自分のスキルがなかなか向上しない、と感じていました。そんなとき、財団主催の土曜行修会のスタッフをやらないかと声がかかり、喜んで参加しました。その流れでオンラインも参加しています。

 

――リアルとオンラインでは運動法の指導方法は違いますか?

 

飯村 基本的には同じですが、オンラインは視覚の効果が大きいので、それを意識した指導をするようにしています。たとえば運動法の動作を説明するとき、注意点を箇条書きの文書にして、スケッチブックに手書きして、皆さんにお見せしたりしています。

 

――スケッチブックですか。そこはアナログですね。

 

飯村 それがいいんです(笑)。 スケッチブックを使うと、相手の顔をよく見ながら対話ができるので、気に入っています。

 

――オンラインのやりにくさは?

 

飯村 画面を通してなので、コミュニケーションが取りづらいし、雰囲気というか、お互いの気が伝わらないところがあります。

 

――その点は、他のスタッフの方も指摘していますね。

 

飯村 参加する皆さんの姿がよく見えないのも、デメリットのひとつです。見えないことには、動きが正しいかどうか、わかりません。だから、相手の参加者の画面をよく見て、抱えている問題点を見つけるように努力しています。問題点は一人ひとり違うので、個別にお伝えできればいいと思っています。

 

――オンラインしか経験のない参加者が増えていますが、その点についてはいかがですか?

 

飯村 そうですね。会員、一般を問わず、リアルの行修会が未経験の人が多くなっています。こちらとしては、心身統一法の実践方法をオンラインだけで完璧に伝えられるとは思っていませんが、コロナ禍の中で双方向の対話や指導ができることに、スタッフとして感謝しています。中村天風は、生身の人間の人格と人格のぶつかり合いの中で心身統一法を伝授することに、こだわっていました。私たちスタッフもオンラインの中で、中村天風がめざしたものを実現しなければいけない、と思っています。

 

――zoomのブレイクアウトセッション機能を利用した少人数の指導方法は、参加者から好評ですが、指導する立場としてはいかがですか?

 

飯村 リアルのときは大人数を相手にしていたので、最初は不安でしたが、やってみると小人数はすごく教えやすいことがわかりました。

 

――指導のしやすさに関しては、他のスタッフの方も、同じ意見ですね。

 

飯村 ですが、課題もあります。参加者から質問されて、私がわからないことがあった場合、リアルだとすぐその場で、講師や他のスタッフに聞けましたが、オンラインではできません。ブレイクアウトセッションの特性上、小部屋同士を自由に行き来できないんです。だから、わからない質問は、次回までの宿題になってしまいます。

 

――だから、ぜひまた参加してください、ということですね。

 

飯村 そうです(笑)。

 

――心身統一法を早く身につけるコツのようなものはありますか?

 

飯村 心身統一法は、何といっても実践をしないと先に進みません。自分で実践してみて、それを足掛かりに、さらに上に登っていくイメージですね。理論と実践が車の両輪のようなものです。片方だけでは、車輪が空回りしてしまって、同じところをグルグル回ってしまいます。

 

――飯村さんは日常生活において、心身統一法をどのように実践していますか。

 

飯村 朝礼でおこなうこと、安定打坐もクンバハカもそうですが、これらはすべて練習であり、本番は日常生活の中にこそある、と最近思うようになりました。日常生活は、いろいろ不自由なことで成り立っている側面があります。私自身もそうですが、自分や家族の病気とか、親の介護、子育ての悩みなど、日々の暮らしの中でいろいろな問題を抱えている人は多いと思います。そういったものにいちいち心をわずらわせず、積極的に生きることこそ、教えの実践だ、と思うんです。

 

――最後の質問です。飯村さんにとって心身統一法とは何ですか。

 

飯村 自分自身を高める方法です。心身統一法を、修得すればするだけ、幸福になれると信じています。

 

――ありがとうございました。

 

オンライン土曜行修会レポートへ戻る


土曜行修会TOPへ戻る

topへ