今月の天風箴言

正しい愛情とはお互ひが活きて此世(このよ)に存在して居るという厳粛なる事実を
衷心(ちゅうしん)から尊敬し合うことから湧いて来る

正しい愛情とはお互ひが活きて此世(このよ)に
存在して居るという厳粛なる事実を
衷心(ちゅうしん)から尊敬し合うことから湧いて来る

箴言註釈6 現代語表記版箴言註釈6 現代語表記版

多くいうまでもなく、天風教義のイデオロギーは、この世に活きる人々がほんとうに幸福に活きられるような、もっと明るい世界をつくろうということを、最も大切な重点としている。

もちろんこのことは、かりにも天風会員であるお互い統一道人は、今さら事あたらしくいうまでもなく十分に諒解されて、それを自己の人生に対する責務として、日々統一道の践行に精進されていることと確信している。

この吾等のイデオロギーを最も尊厳なものとしてその現実化を真に具体化するには、そこにまたいろいろな手段や条件を必要とすることも敢えて多くいうまでもないところで、要するに、天風教義たる統一道(心身統一法)の組織内容の中には、その手段や条件を現実に解決するために必要とする、各種の方法と理解に対する重要な本質というものがあるということも、講習の折にしばしば説いているので、この点も会員諸君の周知のことと信じている。

そしてその本質の中で、ほんとうの明るい人の世の世界というものを現実に作り上げるのには、お互い人間同士が、もっともっと正しい愛情で愛し合わねばならないということも、機会あるごとに説いているから、これまた十二分に諸君の承知されていることと思う。

そもそも愛情とは一体どのような心理現象に対して名付けられたものであろうか? ということについては、『哲人哲語』という私のエッセイを載録した著書に、「愛の情ということに就いて」という題目で説明してあるから、それを読まれれば十分に諒解されると信ずる。

そこで、その正しい愛情ということであるが、前掲の箴言章句にあるとおり、正しい愛情というものは、「お互い人間が、こうして此世に活きて在存している」という犯すことのできない事実を、もっともっと真剣に、厳粛に考えて、そして心の底からその生命の存在を慎ましやかに尊敬し合わない限りは、人間の心の中から到底生まれてこないというのが、人間の心理現象における厳しい宇宙真理なのである。これは是非とも知っておかねばならない大切な人生への理解である。

ところが、この大切な愛ということを説く宗教家でも、この肝心かなめの要点を教えていない。もっとも、常に言っているとおり、こういうことばかりでなく、人生を研究している学者や識者でも、その多くはHow to sayに重点を置いて、人生解決に何よりも大事なHow to doということを説いていないという残念な傾向が実際にあるので、それというのも遠慮なく言えば、つまるところ人生の本質を究めるための研鑽(けんさん)や、あるいは心理現象に対する科学的研究に、いわゆるほんとうの真剣さと不屈の努力というものが、おそらくは欠如しているからではあるまいかと推察される。

しかし何れにせよ、ほんとうに愛するという気持ち=正しい愛情というものは、活きているいのちに対する尊敬という気持ちがこれに対応するバロメータとなるものなのである。

だから、こうして呼吸し、飲食し、排泄し、そしてものを言い、互いにその心を感じ理解し、更にこうして生命が働いている、即ち活きているという大事実を、心の底から尊敬するという敬虔(けいけん)な気持ちにならないと、所詮(しょせん)、正しい愛情というものは心の中から湧き出てこないのである・・・たとえ、いくら愛そう、憎むまいと思っても・・・である。

実際!! これは最も大切な理解なので・・・たとえ愛の心が宇宙根本主体=宇宙霊=神仏の心であると十分に分かっていても、活きているいのちに対する尊敬という気持ちが徹底しないと、「愛」という尊厳なる心情が現れてこないのである。

であるから、今の世の中に活きる人々が、ともすれば極端な利己主義に堕(だ)し、自分ひとりさえよければ他の人はどうでもよいというように考えて、それが何か人生への当然の活き方のように思って、自分の存在に関係する利害を標準として、「愛」の使い分けをする人が多いのも、結論からいえば、人のいのちの存在に対する尊敬の念が欠如しているからだといえる。

いのち!! とは、こうして活きている現実の状態に名付けられた名称である。言い換えれば、不滅のエネルギーが人間から人間へ=はっきりいえば親から子へ、子から孫へと、その生殖細胞に代々伝えられ、そしてそれが現象界で現実に活動している状態を指して言うのである。

これをなんと、凡庸(ぼんよう)の人たちは一向に尊いことと考えない。それというのもつまりは、活きているということの微妙さを不思議だと考えないからである。

ところが真理に徹するならば、そういう人をむしろ不思議だと、反対に考えざるを得なくなるのである。

察するに、凡庸の人というものは、飲食し、排泄し、呼吸をしていさえすれば、いのちというものが活きていられるのは当然と思っているらしい。

そして、呼吸し、飲食し、排泄していればいのちが活動するというのが、実に不思議だとはほんの少しも考えないらしい。

しかし、何といってもいのちが活きているのは、実に不思議なのである!!

特に人間の、活きているという極めて微妙な現象をもって活動する生命の可能性を考えると・・・。

 否、

 不思議などという言葉では到底形容ができない!!

 ならば何と形容すべきか!!

 それは・・・ミステリー、神秘だ!!

 全く神秘そのものである。

 否、々、

この生命の存在という真実のありさまを静かに見つめれば、期せずして、活きているという生命の姿の中に神秘のさまざまが感じ取られ、自然と心からそれを尊敬する気持ちになれるはずである。

まして万物の霊長という、絶賛に値する自然的存在であると同時に絶対的な資格を与えられていることを思うとき、より一層の敬虔(けいけん)さを感じないではいられない!!

天風哲学が、「人間は自然としての存在から、その価値を現実に発揮するために懸命に努力しなければならない。それが宇宙本来の意図に順応する真の創造であると同時に、それがまた人間がこの世に万物の霊長として生まれて為さなければならない大使命である」と終始一貫して主張するのも、要するにその理由が実にこの点にあるからである。

であるから、かりにも人生に係わる宇宙真理を実践して、理想的な人生の建設をひたむきに念願し努力する吾々統一道人たる天風会員は、何をおいてもお互いのいのちが活きているという現実を、心の底から敬虔な気持ちで尊敬しましょう!!

そして、正しい愛情の持ち主となって、明るい世界の現実建設を、人生最大の念願としましょう!!

 否、


そうした気持ちになりえてこそ、人おのおの、自らを完全に活かすことになるのである!!と断固として論断する。


否、々、々、

こうした気持ちになりえたときこそ、人それぞれ、ほんとうに人生の価値をはっきりと把握したことになるのであると、しかと申し上げて、敢えて諸君の大いなる反省を促すべくその魂へ贈る。

『天風哲人箴言註釈』昭和三十八年発行、「箴言6」現代語表記・「志るべ」編集部編

多くいうまでもなく、天風教義のイデオロギーは、この世に活きる人々がほんとうに幸福に活きられるような、もっと明るい世界をつくろうということを、最も大切な重点としている。

もちろんこのことは、かりにも天風会員であるお互い統一道人は、今さら事あたらしくいうまでもなく十分に諒解されて、それを自己の人生に対する責務として、日々統一道の践行に精進されていることと確信している。

この吾等のイデオロギーを最も尊厳なものとしてその現実化を真に具体化するには、そこにまたいろいろな手段や条件を必要とすることも敢えて多くいうまでもないところで、要するに、天風教義たる統一道(心身統一法)の組織内容の中には、その手段や条件を現実に解決するために必要とする、各種の方法と理解に対する重要な本質というものがあるということも、講習の折にしばしば説いているので、この点も会員諸君の周知のことと信じている。

そしてその本質の中で、ほんとうの明るい人の世の世界というものを現実に作り上げるのには、お互い人間同士が、もっともっと正しい愛情で愛し合わねばならないということも、機会あるごとに説いているから、これまた十二分に諸君の承知されていることと思う。

そもそも愛情とは一体どのような心理現象に対して名付けられたものであろうか? ということについては、『哲人哲語』という私のエッセイを載録した著書に、「愛の情ということに就いて」という題目で説明してあるから、それを読まれれば十分に諒解されると信ずる。

そこで、その正しい愛情ということであるが、前掲の箴言章句にあるとおり、正しい愛情というものは、「お互い人間が、こうして此世に活きて在存している」という犯すことのできない事実を、もっともっと真剣に、厳粛に考えて、そして心の底からその生命の存在を慎ましやかに尊敬し合わない限りは、人間の心の中から到底生まれてこないというのが、人間の心理現象における厳しい宇宙真理なのである。これは是非とも知っておかねばならない大切な人生への理解である。

ところが、この大切な愛ということを説く宗教家でも、この肝心かなめの要点を教えていない。もっとも、常に言っているとおり、こういうことばかりでなく、人生を研究している学者や識者でも、その多くはHow to sayに重点を置いて、人生解決に何よりも大事なHow to doということを説いていないという残念な傾向が実際にあるので、それというのも遠慮なく言えば、つまるところ人生の本質を究めるための研鑽(けんさん)や、あるいは心理現象に対する科学的研究に、いわゆるほんとうの真剣さと不屈の努力というものが、おそらくは欠如しているからではあるまいかと推察される。

しかし何れにせよ、ほんとうに愛するという気持ち=正しい愛情というものは、活きているいのちに対する尊敬という気持ちがこれに対応するバロメータとなるものなのである。

だから、こうして呼吸し、飲食し、排泄し、そしてものを言い、互いにその心を感じ理解し、更にこうして生命が働いている、即ち活きているという大事実を、心の底から尊敬するという敬虔(けいけん)な気持ちにならないと、所詮(しょせん)、正しい愛情というものは心の中から湧き出てこないのである・・・たとえ、いくら愛そう、憎むまいと思っても・・・である。

実際!! これは最も大切な理解なので・・・たとえ愛の心が宇宙根本主体=宇宙霊=神仏の心であると十分に分かっていても、活きているいのちに対する尊敬という気持ちが徹底しないと、「愛」という尊厳なる心情が現れてこないのである。

であるから、今の世の中に活きる人々が、ともすれば極端な利己主義に堕(だ)し、自分ひとりさえよければ他の人はどうでもよいというように考えて、それが何か人生への当然の活き方のように思って、自分の存在に関係する利害を標準として、「愛」の使い分けをする人が多いのも、結論からいえば、人のいのちの存在に対する尊敬の念が欠如しているからだといえる。

いのち!! とは、こうして活きている現実の状態に名付けられた名称である。言い換えれば、不滅のエネルギーが人間から人間へ=はっきりいえば親から子へ、子から孫へと、その生殖細胞に代々伝えられ、そしてそれが現象界で現実に活動している状態を指して言うのである。

これをなんと、凡庸(ぼんよう)の人たちは一向に尊いことと考えない。それというのもつまりは、活きているということの微妙さを不思議だと考えないからである。

ところが真理に徹するならば、そういう人をむしろ不思議だと、反対に考えざるを得なくなるのである。

察するに、凡庸の人というものは、飲食し、排泄し、呼吸をしていさえすれば、いのちというものが活きていられるのは当然と思っているらしい。

そして、呼吸し、飲食し、排泄していればいのちが活動するというのが、実に不思議だとはほんの少しも考えないらしい。

しかし、何といってもいのちが活きているのは、実に不思議なのである!!

特に人間の、活きているという極めて微妙な現象をもって活動する生命の可能性を考えると・・・。

 否、

 不思議などという言葉では到底形容ができない!!

 ならば何と形容すべきか!!

 それは・・・ミステリー、神秘だ!!

 全く神秘そのものである。

 否、々、

この生命の存在という真実のありさまを静かに見つめれば、期せずして、活きているという生命の姿の中に神秘のさまざまが感じ取られ、自然と心からそれを尊敬する気持ちになれるはずである。

まして万物の霊長という、絶賛に値する自然的存在であると同時に絶対的な資格を与えられていることを思うとき、より一層の敬虔(けいけん)さを感じないではいられない!!

天風哲学が、「人間は自然としての存在から、その価値を現実に発揮するために懸命に努力しなければならない。それが宇宙本来の意図に順応する真の創造であると同時に、それがまた人間がこの世に万物の霊長として生まれて為さなければならない大使命である」と終始一貫して主張するのも、要するにその理由が実にこの点にあるからである。

であるから、かりにも人生に係わる宇宙真理を実践して、理想的な人生の建設をひたむきに念願し努力する吾々統一道人たる天風会員は、何をおいてもお互いのいのちが活きているという現実を、心の底から敬虔な気持ちで尊敬しましょう!!

そして、正しい愛情の持ち主となって、明るい世界の現実建設を、人生最大の念願としましょう!!

 否、


そうした気持ちになりえてこそ、人おのおの、自らを完全に活かすことになるのである!!と断固として論断する。


否、々、々、

こうした気持ちになりえたときこそ、人それぞれ、ほんとうに人生の価値をはっきりと把握したことになるのであると、しかと申し上げて、敢えて諸君の大いなる反省を促すべくその魂へ贈る。

『天風哲人箴言註釈』昭和三十八年発行、「箴言6」現代語表記・「志るべ」編集部編

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